-Girls Racer-





 悔しかったこと編 バトルマガジン10月号掲載

 この世の中に性別が男と女しかないように、モータースポーツの世界にも男と女しかいません。しかし皆さんご存知のように、モータースポーツの世界では男性の比率がダントツ多く、女性は数えるほどですよね。女性は少ない=良くも悪くも注目される。という図式が成り立ちます。それともう一つ、多くの男性ドライバーの頭の中には、女にだけは絶対負けたくない!という図式もあるようです。今どきっってしたかた意外と多いのでは?

 いつの時代も、男性は女性に負けたくないみたい。私は異性について、そんなこと考えたこともないのですが、目の敵にされてるのは日々感じています。(みんながみんなというわけじゃないですよ)

他のスポーツでは男女が分かれているのに、モータースポーツの世界だけにはそれがない。いわゆる男女平等ってやつ。私自身女性ということで体力ハンデは感じたことがないし、それが理由でレースで勝てなかったということもありません。違うとらえ方をするならば、他のスポーツにおいては(例えばマラソンとか野球とか)、筋肉の違いや体力の違いで同じ土俵で勝負することは出来ないけど、唯一女性が男性と平等に戦えるのがモータースポーツです。

 今まで私が女性ドライバーということで苦労したことはないけど、悔しい思いをしたことは数えきれないほどあります。悔しくって、何度人知れず涙を飲んだことか・・・・。


    

 一番ひどかったのは、忘れもしない1999年。私がレースデビューした年の出来事です。いくら女性ドライバーが増えた増えたといったところで、実際、私のホームコース筑波サーキットでは、他に女性ドライバーは、知っている限りではほとんどいませんでした。(富士スピードウエイには何人かいましたが)

 その日はちょうど今くらいの季節で、かずみっちは上のカテゴリーを目指して、毎週のように筑波サーキットに通っていました。サーキットの一部の人には、あの子はサーキットに住んでるのか?と噂されるほどの熱の入れよう。自分のレースカーをトラックから下ろして練習前に車を磨いていた時、事件は起こりました。女のくせにレースやるなんて生意気なんだよな、女なんかレースやって欲しくないと、通りすがりの知らない人に突然言われたのです! その時は何のことかわからず、ただ呆然とビックリして、そこにたたずむことしか出来ませんでした。何にも悪いことなんかしていないのに、その存在のみで悪口を言われる。つくり話の噂を立てられる。こんな事ってあり!?バイクで峠を走っている時からこんなことはしょっちゅうありました。

 また同じ月に出たレースで、レーシングアクシデントにより接触した時のこと。レースが終わってすぐ、車を降りたところで女のくせに生意気だ。女だったら何をしても許されると思っているのか?おまえは何様だ!と、見知らぬパンチパーマの恐い人に、みんなの前でいきなり怒鳴られました。



 怒鳴ってきたのはドライバーの人ではなく、接触したところを見てもいない人。何も見ていないのに、女ということで私が悪いと頭から決め付けるのです。これまた訳がわかりませんでした。何故見ず知らずのこの人に、頭ごなしに怒鳴られなきゃいけないの?悔しい・・・・。恐い・・・。恐くて涙が出そうになるのを必死にこらえました。なんでということで、ここまで見下されて馬鹿にされなきゃいけないの!(この後周りの人が止めにはいったので、大事には至りませんでした)

 もうメチャクチャ落ち込んで、もうレースなんかやめようかと思いました。レースを続けていく上で、これから先もいろんな人につくり話をされ、悪口を言われつづけなきゃいけないのなら・・・。でも、私はこの世界が好きで走りつづけたいという思いのほうが強くって、今ではどんな批判も跳ね除ける、強い気持ちを持つことが出来ました。おかげでお友達の男性ドライバーに“男より男らしい(ドライバー)で尊敬する”と言われちゃいました。喜んでいいのか悪いのか。

 ”私はレースが好き!この世界で生きていくって。そのためにはいちいち落ち込んでる時間がもったいない!ってね。でも、そうなれるまでには沢山の人に支えられて、勇気をもらったりしました。一人では、もしかしたら乗り切ることができなかったかもしれないし・・。支えてくれた人には本当に感謝です!


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